こんにちは。浦安駅前整体院の西念です。
日常で履くスニーカー、仕事用のパンプスや革靴、子供用の靴など
靴選びって本当に難しいですね。
そして人により足の形や大きさ、傾きなどが様々です。
どんな足にどんな靴が合うのかシューフィッターの目線から
しっかりとお伝えしていきたいと思います。
目次
足の分類と靴の選び方
まずは足を4つに分類して考えていきます。
扁平足(回内足)、ハイアーチ(回外足)、つま先重心、かかと重心
それぞれの足に合う靴をご紹介します。
扁平足型の回内運動を防ぐ靴
日本人の約74%が扁平足と言われております。
足が地面に着地した時や体重が乗った時などに足の内側縦アーチが潰れることで起こります。
足自体の変形や膝や腰などにも負担がかかりやすい足の状態と言える足です。
当てはまる方は、以下の4項目に注目し、靴を選んでみて下さい!
ヒールカウンターがしっかりとしたもの
極端にお伝えすると、ヒールカウンターが硬いものになります。
かかとを垂直に保持することが大きな役目となります。
ヒールの外側が柔らかいもの
GELやエアーが入っているものなどで、かかとが地面に着いた時直後の
急激な回内運動を防いでくれます。
ヒールが内側にせり出したものや硬いもの
内側にせり出したフレア構造によって足が回内するのを防いでくれます。
アウトソールの構造がしっかりとしているもの
真ん中の部分はシャンクと呼ばれ、素材が硬かったり、別素材を使う事で
内側縦アーチの沈み込みを防いでくれます。
ハイアーチ型の回外運動を防ぐ靴
日本人の約10%がハイアーチと言われます。
かかとから足の外側で足が付きやすい為、足首の柔軟性に乏しく
膝や腰などが痛めやすい方も多いです。
当てはまる方は、以下の4項目に注目し、靴を選んでみて下さい!
ヒールカウンターがしっかりとしたもの
扁平足型と同様にヒールカウンターがしっかりとしたものになります。
足が外側に逃げるのを防いでくれます。
ヒールの外側が硬いもの
かかとが地面に着地した直後に回内に誘導してくれます。
外側は硬い素材が好ましいので、GELやエアーが入っているものは避けて下さい。
ヒールが外側にせり出したものや硬いもの
外側にせり出したフレア構造によって足が回外するのを防いでくれます。
アウトソールが回内に誘導するもの
靴の溝などが親指の方へ流れることで、回外を防ぎ、
回内方向へ誘導を行っています。
つま先重心型の前方への動きを抑制する靴
足の前方に体重がかかる為、外反母趾や足底腱膜炎、モートン病などの
トラブルを抱えやすくなります。
これらに当てはまる方は、以下の3項目に注目し、靴を選んでみて下さい!
かかとが低いもの
重心の前方移動を補助しないことで、足の前方にストレスがかかりにくくします。
また、立位時に足首が下に向かないことで足の前方に重心が乗らない様に制限します。
屈曲性が低いもの
けり出しの時、足の指が伸展(反る運動)するのを抑制します。
つま先の反りがないもの
前方方向に転がりずらい構造となる為、足趾にかかるストレスを軽減することが出来ます。
かかと重心型の前方への動きを誘導する靴
前方への動きを誘導してくれるため、運動のパフォーマンスを向上したい方には最適。
また、かかとの痛みなどの足の後足部にトラブルを抱えている方やアキレス腱炎などに
頭を抱えている方にはお勧め致します。
これらに当てはまる方は、以下の4項目に注目し、靴を選んでみて下さい!
かかとが高いもの
前方への重心移動を促す為、マラソンなどの運動には最適の靴になります。
理想の割合はつま先8:かかと10です。
また、立位時に足首が下に向くことで、かかとから前足部に重心が移動する為、
かかとやアキレス腱にかかるストレスを軽減することが出来ます。
ヒールが反っているもの
ヒールが反っている事で、転がる形状となりヒールロッカーを促します。
つま先が反っているもの
つま先が反っている事で前方に転がりやすい構造となります。
屈曲性が良いもの
けり出し時、足の指が伸展するのを促し、前方への移動の補助をします。
症状や疾患から判断して靴を選んでみよう
外反母趾
つま先重心型の前方への動きを抑制する靴、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
外反母趾のは足の回内運動と前方重心が合わさって起こることが多いため、
これら2つの項目をクリアする靴を選んでいただくことで症状の軽減や抑制が可能となります。
足底腱膜炎/扁平足
扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
足底腱膜炎の多くは扁平足由来の足底腱膜が伸長し、付着部などに痛みを伴っていることが
多いため、扁平足を解消することにより足底腱膜にかかるストレスも軽減しやすくなります。
足の中足部の疾患の為、しっかりと足の内側縦アーチを持ち上げるような靴を選ぶことが大切です。
かかと骨棘
かかと重心型の前方への動きを誘導する靴、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
かかと重心になることで骨棘形成が起きる為、前足部へ重心を移動することが最善ですが、
かかとに骨棘が形成されている方の中には足底腱膜炎を併発されている方もいますので、
回内への動きも抑制しなければなりません。
その為、必要なのは前方と回外方向へ重心を促す必要があります。
シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
外反母趾同様、つま先重心型の前方への動きを抑制する靴、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
マラソンや陸上競技、バスケットやバレーボールなど繰り返しの動作を行うスポーツに多い疾患となる為、
その動作を抑制することが大切となります。
また、シンスプリントは足が回内することで脛骨を覆っている骨膜が引っ張られることで炎症が起き、
痛みを感じることが多いと言われます。
その為、最低でも扁平足型の回内運動を防ぐ靴だけは選ばなくてはなりません。
足の小指球側の胼胝
ハイアーチ型の回外運動を防ぐ靴をい選んで下さい。
足の中足部の距骨下関節の硬さもあり、足の回内運動(母趾側に流れる動き)がしっかりと
行われていない為、けり出しの際に小指球側に負担がかかり胼胝が出来やすくなります。
男性の方が多く、ガニ股や足首の硬さが原因の一つでもあります。
甲が平べったい足(開張足)
つま先重心型の前方への動きを抑制する靴、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
この足の方は特に女性のヒールを履く方に多くみられます。
ヒールを履くとどうしても足の前足部に負担がかかり足の横アーチが潰れてしまいます。
その為、開張足と呼ばれる足の甲が平べったい状態となり、
酷い場合はモートン病など足の先に痺れなどが出る場合があります。
関節リウマチによる前足部の変形
関節リウマチによる前足部の変形はつま先重心型の前方への動きを抑制する靴を選んで下さい。
出来るだけ変形場所にかかるストレスを軽減することが大切です。
また、扁平足を伴う場合は扁平足型の回内運動を防ぐ靴も合わせて選んで下さい。
扁平足から外反母趾になり、前足部の変形が起こりやすい為、
出来るだけストレスのかかる靴は避けるようにしましょう。
足根管症候群
足の内くるぶしの内側の脛骨神経が何らかの原因によりストレスがかかり
足の内側から足の裏側にしびれなどの神経症状や痛みが出たりします。
出来るだけ脛骨神経をけん引させない様に、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
骨折や交通事故などの外傷を伴う場合には、靴だけで対処出来ない場合もあります。
内反捻挫
内反捻挫に関しては、痛み及び腫れが引いてから靴をお選びください。
外くるぶしの下に痛みが出ている場合はハイアーチ型の回外運動を防ぐ靴を選んで下さい。
また、外くるぶしの下だけでなく、前側にも痛みが出ている場合は、
つま先重心型の前方への動きを抑制する靴も合わせてお選びください。
出来るだけ伸び切った靭帯に今まで以上にストレスをかけない様にすることが大切です。
アキレス腱断裂
アキレス腱断裂の方は回復してから靴をお選びください。
日常生活でアキレス腱断裂が起きてしまった場合には足の扁平足(回内)の状態であったと考えられます。
ですので、扁平足型の回内運動を防ぐ靴を選んで下さい。
扁平足だと踵の骨が足底腱膜に引っ張られ前側に傾く為、かかとの骨の後方に付着しているアキレス腱は
収縮している状態なので、何かの拍子にアキレス腱にストレスがかかると断裂することがあります。
また、スポーツにおいてのアキレス腱断裂の多くは飛んだり跳ねたり走ったりなどの種目に多い為、
つま先重心型の前方への動きを抑制する靴も扁平足型の回内運動を防ぐ靴と合わせて選んで下さい。
まとめ
今回の靴選びはいかがでしたでしょうか?
なかなか自分の足に合った靴を選ぶのは思っていた以上に大切な事が分かったかと思います。
しかし、今回の症例はどんな方にも当てはまる完璧なものではありません。
上記の症状でも酷い方や骨折や脱臼、筋腱機能不全症などは靴だけでは対処できない為、
ご自身の足の状態をさらに細かく分析し、ご自身の足型に合わせたインソールも
靴と共に入れて頂く必要性があります。
また、子供の靴などではあまり種類がないことから、項目が全く当てはまらない場合もあります。
その際には、インソールで足の歪みを補正する事が必要となります。
お子様の足でお悩みの方は下記のコラムを読んでみて下さい。
今回のコラムが足で悩まれている方の少しでもお役に立てれば幸いです。