相談内容
「最近膝がなんかしっくりこないというか、
たまに痛むような時もあって不安があります。
ここ何年かで体重も増えてしまっていたので、
太ると膝に良くないって聞きましたし・・・
やっぱりダイエットとかした方が良いんですか?」
実は膝の疾患って腰痛の次に悩まれている方が多いんです!
特に女性の膝関節変形症(要は膝の骨が変形してしまう疾患です)や股関節変形症(股関節が悪くなる疾患です)は数が多く、主に50代の方で筋力や骨密度の低下も相まってより症状が悪化してしまうんです。
ではまだ20~30代の若い世代の方達は大丈夫?・・・なんて事はありません!!
実は若いうちから膝に違和感を感じた経験がある人って多いんですよ。
なんだか膝がうまくはまってない気がしたり、力が入りづらかったり。
今回ご相談された女性の方も加齢に比例し徐々に出てきた膝の違和感に不安を覚えていたそうです。
→体重が増えて膝が痛い
→痩せたいけど膝が痛いから運動が出来ない
→運動が出来ないから体重が増えていく
→体重がより増えて膝がもっと痛くなる…
こんな負のループから脱する為にも、そもそも陥らない為にも膝のケアっていつでも大事なんです。
いつまでたっても元気に外を歩き回りたい!旅行がしたい!
そんな誰にとっても理想とする生活の為にも、膝って大切な部位ですよね。
目次
体重が増えると膝に負担がかかる理由とは
膝関節は日常生活において立つ・歩く・座るなどの動作を担う重要な部位です。
力の掛け方にもよりますが、大まかには歩くときにおよそ体重の2~3倍。
階段の上り下りには6~7倍の負担が膝にかかると言われています。
つまり自身の適正体重より1キロ多いだけでも、日常の動作では2~3キロから6~7キロの余分な負荷になっているということです。
かといって少し体重が増えた程度ですぐに悪くなる訳ではありません。
膝の痛みで主な原因が体重増加と考えられる方は主に肥満と診断される方が多いですが、肥満とまではいかなくとも骨密度や筋力低下により関節自体の耐久性が落ちているせいで痛みになりやすい場合もあります。
大切なのは膝へ負担がかかりすぎないように筋力と骨格のバランスを見ながら適正体重を意識してあげることですね。
治療院ではどんな施術をする?
一概に”膝が痛い”と言っても、実は複雑な構造をしているので細かな検査が必要です。
例えば膝の外側が痛いという場合でも、半月板か側副靭帯かどちらの部位が悪いのかを判別しなければなりません。
この女性の方はまず、骨盤自体が傾くように歪んでいて重心がより片側の膝にかかりやすい状態になっていました。
またその影響で膝だけでなく股関節にも可動制限がかかっており、普段仕事でヒールを履かれるという事で一層膝の負担が大きくなっていたのだと考えられます。
実はヒールって踵が上がる事で足首の可動を制限してしまうデメリットもあるんです!
股関節も足首も可動が狭くなっていれば残りの負担は筋力の落ちはじめた膝へ…これが今回女性の膝を悪くしていた要因の一つになっていたのは間違いありません。
幸いな事にまだ靭帯などを損傷していた訳ではなかったですが、このまま負荷をかけてしまうと軟骨がすり減り続けてしまい膝の疾患になってしまう可能性が高いというお話をさせて頂きました。
それと膝の関節を安定させ筋力をサポート出来るようにテーピングを施し、膝のリハビリトレーニングの指導も行いました。
仕事柄どうしてもヒールを履かなければならない為、身体の歪みが出やすいのでまずは今以上に悪くならないよう予防の目的も含めて施術をし、少しずつ関節と筋力のバランスを取っていくように治療を定期的に続けています。
それ以降、膝の違和感はなくなり膝の不安定感も解消されたとのことです。良かったですね!
あとはこれをずっと維持していくのみ。日頃のケアとトレーニングを頑張りましょう(^ ^)
まとめ~どう今後の生活を見据えていくか~
膝の疾患の治療と言うのは実はとても難しいものだと僕は思います。
例えば何かしらの原因があって膝に痛みがあり治療をして、それが取れる。
その後は完治するまで安静に過ごしなるべく膝を使わないようにする・・・
そんな事が出来れば良いでしょうが、私たちには日々の生活があります。
仕事をしたり、買い物に行ったり、家の中をただ移動するだけでも何かおいて膝は必ず使わざるを得ない部位だからです。
体重が原因であるのならば、適正体重に戻すのが理想ではあります。
しかし肥満の方が短期間で一気に体重を適正に戻すというのは容易な事ではありません。
膝が痛い事により運動がし辛くなり、運動不足になる事で体重が増加しやすいという負のループから抜け出すのは大変な事です。
なので大切なのは日々の生活の中での工夫、そして一気にやろうとせずに一つずつ過程を踏んで行く事です。
まずは食事を見直すだけでも充分に体重に変化は出ます。そうしたら膝に負担をかけない運動から始め徐々に身体を慣らしていきます。
ある程度運動習慣がついたら次は膝周りの筋力強化です。これも焦らずに続けていきましょう。
膝は一生使っていくものです。
痛みが取れたら終わり。ではなく、欠けてはならない身体の大切な部品の一つとして毎日ケアをしていってあげましょう。
自分一人では出来ない…という時の為に僕たちのような人間がいます(^ ^)
ぜひ役立たせて下さいね。