相談内容
「仕事で一日中ずっと立ちっぱなしの仕事をしています。
元々そのせいか慢性的な腰痛はあったのですが、
最近はお尻の方の筋肉が痛くて、足の付け根かお尻の際の方と言えば良いのでしょうか。
酷いと少し足が痺れるような感覚も出てくるようになったので今回来ました」
女性・立ち仕事・臀部(お尻)の痛み。と言えば梨状筋症候群か!?
とまずは疑わなければならない程、この3つの条件はこの疾患に当てはまります。
その梨状筋とは人間のお尻を構築する筋肉の一つなのですが、特に立ち仕事の方が良く痛めてしまう部位で男性よりも筋力の弱い女性の方が多くこの症状に悩んでいるそうです。
だからと言ってお尻の筋肉が緊張して痛い人は全員この梨状筋が悪い。と言う事にはなりませんが、これが酷くなってくると坐骨神経痛のような神経症状も出てきてしまいますので、注意が必要な事には違いありません。
目次
梨状筋症候群の診察
まずは「Kボンネット・テスト」という診察法で梨状筋の状態を診ます。これによる検査は陽性、つまり梨状筋の筋痙攣や筋膜炎の疑いがありました。
女性から話を聞いたところ普段の仕事は立ち仕事で、しかも踵の高いヒールを履いての職務だったようです。
ヒールのある靴を履く事により、踵は上がり臀部に負担のかかりやすい状態になります。そしてヒールを履く事により足首が固定され、足関節には可動制限がかかります。
するとより、臀部が緊張した状態で股関節にかかる負担が大きくなってしまうので梨状筋症候群といった疾患にはなりやすい状況だったのだと思われます。
また解剖学見解では梨状筋の下には坐骨神経が通っており、上にある梨状筋の緊張がこの坐骨神経に影響を及ぼしているのだと考えられました。
治療院で実際に行った治療
梨状筋症候群自体は筋肉の疾患なので、鍼灸治療による梨状筋の緊張の緩和や疼痛に対するアプローチは選択肢にありました。
しかしこの女性の場合はずっと踵の高いヒールを履いて一日中仕事をしていたこと。それにより骨盤や腰椎に歪みが出てしまったのが根本の原因にあった為、まずそれに対して施術を行いました。
この梨状筋という筋肉は骨盤の仙骨という骨に付着する筋肉なのですが、女性は特にこの仙骨部の歪みも強く出ていた為、カイロプラクティックによる矯正が不可欠だったのです。
すると骨盤の矯正により緊張が見られていた梨状筋に緩和が確認されたので、鍼による治療は見送られました。
自宅では仕事後のケアに梨状筋のストレッチをして頂くこと、また休みの日には動きやすいスニーカーを履いてウォーキングなどをしてもらい、ヒールを履いていた事による身体の歪みを改善して頂くようにも指導をさせて頂きました。
その後、特に骨盤の歪みを意識するようになってからは以前程の痛みは臀部に感じる事はなくなったようです。良かったですね!
まとめ
梨状筋症候群は立ち仕事の女性(しかもヒールを履いている)に多い疾患だとされていますが、もちろんそれに限った話ではありません。
座り姿勢が悪い方でもなりますし、男性でも緊張が強いと痛くなりやすい部位です。
また自覚症状的に痛みを感じていない方でも、臀部をマッサージすると多くの人がこの梨状筋付近に筋肉の凝りや疲れなどを自覚されまず。
元々臀部は構造的に下肢の動きを支える筋肉の集まりなので、座りっぱなし・立ちっぱなしというのは負担がかかりやすい部位なのです。
なので仕事などで疲労した分はきちんと毎日ケアをするようにして、痛みにならないよう予防してあげる事が大切ですね。