<変形性股関節症及び臼蓋形成不全症について>

こんにちは。

浦安駅前整体院です。

今回は変形性股関節症臼蓋形成不全症股関節痛に悩む方に向けて症例も合わせて

ご紹介させて頂きます。

変形性股関節症の痛みでずっと悩んでいたから少しは原因がわかるかな…?!

変形性股関節症だからといってまだ諦めるのは早いかもしれませんよ!

※上記『今回は変形性股関節症臼蓋形成不全症股関節痛に悩む方に向けて、
症例も合わせてご紹介させて頂きます。』の文章の様に文中に赤のマーカーされているところがありますが、それぞれは最重要、は重要、はまあまあ重要な点と分かりやすく色分けしてあります。
また、黒く太字になっているところも重要な箇所になりますので、合わせてご確認いただけたら幸いです。

【変形性股関節症及び臼蓋形成不全症の方の症例】

一般的に変形性股関節症40~60歳以降に発症しやすく、女性に多く見られます。
また、高齢になるほど発症率は高くなり、70歳以降はかなり多くなります。
臼蓋形成不全症先天的な要因も多く、20歳~40歳代の女性が股関節の違和感や
痛みを訴えることが多い疾患です。
そのまま放置すると50歳代以降変形性股関節症へ進行するケースも多いです。

変形性股関節症も臼蓋形成不全症も高齢のそれも女性に発症しやすくなるのですね。

今回の患者さんは大学病院で変形性股関節症(臼蓋外側に骨棘形成あり)及び臼蓋形成不全症と

診断されております。

骨棘形成とは、長い間関節面に負荷がかかり軟骨が肥大し、そして次第に硬くなって骨化して『とげ(骨棘)』のようなものになったもののことです。
変形性股関節症の進行度分類では骨棘形成まであるので、4段階のうち2番目から3番目のステージになります。

関節のところに『とげ』って相当痛いですよね…。
そんな状態で本当に痛みが取れるのかな?!

※画像 関節ライフより引用

【いつから痛みが出てきたのか?】

今回の患者さんは、5~6年前から右足の鼠径部に圧痛が出てきており、階段の昇降(特に昇り)や

椅子からの立ち上がりにくさを感じておりました。

ご来院前は大学病院からは手術を勧められていたそうです。

写真を見ると少し傾いている感じに見えますね…。

そうですね。
歩行の確認で骨盤からの捻じれや股関節の左右の可動域、そして臀部の筋力が低下しているのかを確認しております。

【体の状態を検査により確認、施術の方向性を決める】

・体のバランス:首の右側屈、左肩・左腰の挙上、腰椎の左弯曲

・足部の変形:両側外反母趾・開帳足、左回内足が顕著

・股関節の可動域:両側内旋がほぼ消失、右股関節の屈曲可動域は90°(正常125°)

右股関節屈曲・内転・内旋位で痛みが出現

検査の状態を見てみると色々と悪そう…。
こんなにも引っかかって大丈夫なのかしら?!

書き出してしまうととても悪いように感じてしまいますよね。
皆さん大なり小なり体の歪みや硬さなどはあることが多いです。
この検査の中で、より悪いところ(関節の可動域が減少及び亢進など)を見つけて施術の流れを決めていきます。
この検査の他に整形学的検査カイロプラクティックの検査など更に細かくお体の状態を確認していきます。

【カイロプラクティック施術】

まず、今回の方は変形性股関節症及び臼蓋形成不全症の方の中では比較的可動域が広い状態でした。

股関節にかかるストレス軽減のため、無理のない程度でもう少し股関節の可動を広げると共に、

股関節周囲及び臀部、腰部、大腿部の筋肉緩和操作行いました。

変形性股関節症や臼蓋形成不全症の方ですと、ほとんどの方が可動域減少がみられます。そして、可動域が狭くなっているせいで筋力低下筋緊張も同時に起こるケースが多いです。

次に、腰椎の左側弯と右の仙腸関節の矯正を行い、

骨盤から股関節にかかるストレスを左右に分散していきます。

また、アクティベーターという専用器具を用いて回内足の矯正を行い、

足部のアライメントのアプローチを行っていきます。

結構細かく体を診ていくのですね。

そうですね。
股関節の疾患だからといって股関節だけではなく、全身のバランスを調整していきます。そうすることで、股関節にかかるストレスを軽減することが出来、変形性股関節症や臼蓋形成不全症でも痛みを抑制したり、今以上悪くしないようにすることは可能なのです。

施術後は体のだるさや痛みなどを感じないためそのままの強度で施術を継続。

数回施術をしていくと、膝に違和感が出るようになってきたので、

筋緊張があった膝周辺の筋肉の緩和操作及び関節可動域の改善を行い、

膝関節の負担軽減となる様に施術を行っていきました。

今まで出ていなかった場所に症状が出ると不安になると思いますが、少しずつ体のバランスが変わっていくと今回の患者さんの様に他の場所が気になる方もいます。
施術を行ったことで、体にかかるバランスが変化してきたと考えてよいのでご心配はいりません。

ご家族などに歩き方がおかしいなど指摘を受けることもあったため、歩行姿勢の指導

また回内足もあるためインソールを成形し、バランスを確保するように施術を行っていきました。

施術を重ねていくにつれ股関節及び膝痛や腰痛なども軽減し、

現在では大学病院で2か月に一度レントゲンを撮り経過を観察していますが、

股関節が悪化していないことと痛みが出ていないため今のところ手術はしないですんでおります。

手術は出来るだけ避けたいというご本人の希望もあるため、

このまま継続的に施術を行い、手術しないでも症状を引き続き緩和していけるようにしていきます。

本当に施術することで症状を緩和することが出来るのですね!!

もちろんすべての変形性股関節症や臼蓋形成不全症の方の症状が改善出来るわけではありませんが、比較的初期の方可動域がある方の場合は改善できる方が多いですね。

<股関節の構造と変形性股関節症の進行要因>

股関節は体重支持関節として大きな役割を果たしています。

人は二足歩行を獲得したことで寛骨臼の前面が開いている構造となりました。

そのため寛骨臼の前面は被覆率が低い構造となり、荷重がかかりやすく軟骨の摩擦や破壊などが

生じやすくなります。

その為、臼蓋形成不全症の患者は骨盤を前傾させ被覆率を高め股関節にかかるストレスを

代償的に軽減しております。

しかし、加齢に伴う筋力の低下や腰椎が後弯により、

骨盤が後傾すると股関節前面の被覆率がさらに低下し負担が増加していきます。

これが股関節変形を進行させる要因です。

背中の丸まった姿勢は余計に股関節に負担をかける姿勢だったのです。

確かに背中の丸まった姿勢は見るからに良くはないですね。

通常、大腿骨頸部の長軸方向を運動軸とした場合の股関節の屈曲運動では外転・外旋運動が伴い、

骨盤の後傾により内転・内旋可動域が減少し、被覆率低下を助長していきます。

さらに、立位時股関節屈曲の骨盤後傾は約9%~17%の割合で生じ、

インピンジメント回避のために後傾が強まることがあります。

<歩行の影響と回内足の関係>

歩行時に右足を踏み出す際、骨盤は左回旋し、右股関節は屈曲・外転・外旋運動を行い、

インピンジメントを回避します。

この状態で股関節の内転・内旋制限があると、地面に接地した足が舟状骨及び楔状骨周辺で蹴り

出さざるを得ないため、足部は回内の動きが通常となり、立位時において回内足と変化していきます。

回内足は股関節の内旋制限を代償する動きとなるため、

結果的に足部の内側や前足部に圧力がかかり、

外反母趾開帳足が発生しやすくなるという結果をもたらします。

日本人の約74%の方は扁平足と言われております。
特に女性の外反母趾の方は多いため、股関節及び膝にも負担のかける骨格なのです。

<膝への影響と大腿筋膜張筋の役割>

変形性股関節症の患者は、大腿筋膜張筋の筋活動が高まりやすく、これが外反膝を引き起こし、

膝痛の要因となります。

今回の患者さんは実際にミクリッツ線やFTA、Qアングルなどの検査でも外反膝が確認されております。

外反膝は回内足を助長するため、大腿筋膜張筋の緩和操作がとても重要であると考えられます。

大腿筋膜張筋は太ももの外側の筋肉でこの筋肉が硬くなると下肢のバランスが悪くなるため、しっかりと緩めておくことが大切です。

<運動連鎖と全身への影響>

変形性股関節症や臼蓋形成不全症の治療では、患部にのみ注目しがちですが、

運動連鎖による関節ストレスや筋肉の緊張・弱化を見逃すと、症状の改善が難しくなります。

股関節の可動域が制限されると、膝や腰椎に代償運動が生じ膝痛や腰痛を引き起こす

可能性が出てきます。

股関節が悪いと違うところも痛くなるって怖いですね。
股関節だけでも辛いのに他も痛くなると考えるとぞっとします…。

この代償運動は様々な場所で行われていて、悪かった所よりも負担のかかってしまったところの方がより悪くなってしまったというケースもあります。
そうならないためにも普段から定期的にメンテナンスやストレッチ、運動を行うことは今後症状を出さないためにもとても大切なことですね。

また、股関節と骨盤の動きには脊柱、とくに胸椎の可動性が深く関与します。

胸椎の伸展がスムーズであれば、腰椎の前弯や骨盤の前傾が促され、股関節への負担を軽減出来ます。

そのため、胸椎の可動性向上も治療の重要な要素となっていきます。

まとめ

今回の変形性股関節症及び臼蓋形成不全症について触れさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

最初は変形とか臼蓋形成とか難しいワードなので、もう治らないような病気なのかと思っていましたが、早めにチェックしてケアすれば症状も酷くならず、股関節の状態も維持することが可能のなのですね。

そうですね。
出来れば痛みが出る前に予防をしておくことが一番ですが、実際は痛みが出てからケアをする方がほとんどです。
歩けば治ると思って無理に歩くことで関節に負荷をかけてより悪化してしまうケースもあります。
痛みが出たらすぐに整形外科カイロプラクティックなどに行って
まず『現状』を知ることをおススメ致します。

建内宏重:股関節(協調と分散から捉える)
工藤慎太郎:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学

この記事を書いたスタッフ

<変形性股関節症及び臼蓋形成不全症について>

院長:西念 純一

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