こんにちは、浦安駅前整体院です。
股関節は体の中心にあり、立つ、座る、歩く、などあらゆる運動に関わる関節で、
上半身を支える役割を持ち、常に荷重がかかります。
股関節に痛みがあると動かせなくなったり、不安定になることもあるため
股関節には痛みなく動けることや安定性が求められます。
また股関節と隣接する骨盤には上半身と下半身をつなぐ役割や、
膀胱、尿道、直腸などの内臓や生殖器を保護する役割があります。
では、股関節の構造を詳しく見ていきましょう!
目次
股関節の解剖

股関節は骨盤にある寛骨臼と大腿骨の大腿骨頭からなる球関節に分類される関節です。
球関節ってどんな関節ですか??
受け皿(関節窩)とボール(大腿骨頭)のような構造をしている関節を球関節といい、いろんな方向に動かすことができる運動性の高い関節です。股関節は関節窩が深いので、臼状関節とも呼ばれています。股関節以外だと肩関節も球関節の一つです。
大腿骨頭は2/3ほどが寛骨臼に収まっており、安定性が高い作りになっており、
これは荷重を受け止めるという機能を発揮するためと考えられています。
また、関節の深さを補うように関節唇という軟骨が存在し、
関節唇があることで大腿骨頭がより深く寛骨臼に収まり、より安定感が増します。
臼蓋形成不全
股関節の関節窩の深さには個体差があり、臼蓋形成不全が存在することも多いです。
臼蓋形成不全ってなんですか??
臼蓋形成不全とは、生まれつき寛骨臼の被りが浅い状態のことで日本人の約13%に見られると言われています。
臼蓋形成不全で股関節の被りが浅いと安定性が低くなってしまうため、
骨盤を前傾させることで臼蓋を大腿骨頭に被せるようにして関節の浅さを補うようになります。
骨盤が前傾してしまうのは良くないことですか?
骨盤が前傾するとそれに伴って腰椎の前弯が強くなるため、背骨の関節に負担がかかりやすくなったり、背中の筋肉が緊張しやすくなるので、股関節痛だけでなく腰痛の原因になることがあります。

逆に骨盤が後傾し、腰椎が後弯すると股関節前方の被りは浅くなってしまい、
荷重をかけた際の負担が大きく股関節の変形を作り出す原因となってしまいます。
これは高齢者によくみられる加齢変化です。
大腿骨頸部の頚体角と前捻角
頚体角や前捻角という言葉自体初めて聞いたのですが…
聞きなれない言葉ですよね。簡単に説明していきますね!
≪頚体角≫

寛骨臼にはまる大腿骨先端は曲がっていて、その角度を頚体角といいます。
頚体角は幼児期では約135度ですが、成長と共に重力がかかることで角度が徐々に急になっていき、
成人では約125度→高齢者では約120度と変化していきます。
頚体角が大きいほど骨盤とぶつかりにくく、股関節の可動域は広がります。
子供の方が股関節が柔らかいのは、頚体角が大きいことも関係しています。
正常範囲よりも頚体角が大きい状態は外反股、小さい状態は内反股という状態になります。
正確な角度はレントゲンで確認することができます。
≪前捻角≫
大腿骨を真上から見ると大腿骨頸部は前方に捻じれており、この角度を前捻角といいます。
前捻角は生後は40度前後ですが、成人では10~15度になります。
前捻角が大きいと股関節は内旋しやすく、内旋が強くなると関節の被りが浅くなるので
それを補うように膝やつま先が内側に向きやすいというような特徴もあります。
こういった骨の角度も股関節の痛みや変形の原因となります。

このように大腿骨頸部には前捻角と頚体角が存在するため、
股関節を屈曲する際は外転・外旋が加わり、伸展する際は外転・内旋が加わります。
骨盤の解剖

骨盤は寛骨、仙骨、尾骨の3つが合わさった骨です。
寛骨と仙骨の間は仙腸関節という関節で、股関節と骨盤、腰椎の動きに重要な役割をします。
骨盤は男女で形や機能に差があり、男性は細くて深い形(ワイングラス様)、
女性は妊娠や出産に備えて広くて浅い形(カクテルグラス様)をしています。

股関節疾患が女性に多いのはこのような骨盤の形状の違いも要因になっています。
女性の方が関節に遊びが多い作りになっているため、ゆがみやすい傾向もあります。
まとめ
股関節や骨盤って、人によってこんなに違いがあるものなんですね!
そうなんです。股関節は生まれつき個体差もありますし、成長とともに荷重がかかることで変化も起こる関節です。骨盤も男女では形状が大きく違います。
ですので姿勢が気になるときや痛みが出たとき、その方の股関節や骨盤の形、位置によってアプローチしなければいけない場所が違うのです。
このように股関節も骨盤も個体差が大きい分、お悩みがある際は
自分の体に合った施術を受けないと症状が強くなってしまう可能性があります。
当院では検査をしっかりした上で、症状の変化を診ながら施術を行っていきます。
股関節に痛みや違和感がある方はぜひ一度ご相談いただけたらと思います。
≪参考文献≫
工藤慎太郎:運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略
國津秀治:よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ
竹井仁:不良姿勢を正しくする姿勢の教科書 上肢・下肢編