こんにちは、浦安駅前鍼灸整体院の市原です。
今回は股関節痛の症例報告になります。
股関節の痛みで何年も悩んでるけど、どうしたらいいの?
股関節で悩んでいる方は多くいますので、まずは1つ症例を見てみましょう!
目次
症例
・Oさん、55歳女性
・2021年2月に当院を来院。
・股関節の痛みによる病院(成形外科)への受診はなし。
主訴

・両股関節歩行時としゃがむ時に痛み出現。
・特に左側が顕著にでる。
・子供のころから股関節のクリック音がしていた。
検査

・可動域:股関節外旋正常、股関節内旋制限、足関節の回内、足関節の背屈制限、
横アーチ低下、股関節屈曲痛
・筋 肉:腸腰筋の緊張、大腿四頭筋の緊張、大殿筋の緊張、中殿筋の筋力低下
・姿 勢:X脚、骨盤前傾、腰椎前弯、腰椎右側弯
生活
私生活はどのようにお過ごしですか?
・仕事は立ちっぱなしの時もあれば、座りっぱなしの時もある。
・休みの日は出歩くことが多いが、運動という運動は大人になってからはしておらず、
中学生のころは剣道をしていた。
・家ではあぐらで座ることが多い。
施術内容
①股関節内旋制限の調整

・骨盤が前傾すると通常股関節は内旋するが、股関節の内旋制限があるので
骨盤と股関節の間で正常な運動が行われず、股関節に強いストレスがかかっている状態であった。
その為、骨盤から股関節にかけてスムーズに動作が行われるように調整を行った。
②股関節屈筋の調整及び指導

・腸腰筋と大腿四頭筋のテストで、腸腰筋の緊張がみられたため
ストレッチとマッサージで緩めた。
・腸腰筋と大腿四頭筋が緊張すると骨盤前傾してしまい、
Oさんの場合は股関節のつまりを感じてしまうので自宅でもできるストレッチを指導。
③鍼による殿筋の調整

・股関節外旋が強いため、股関節外旋筋である大殿筋・深層外旋六筋を鍼を用いて施術。
・筋肉の緊張が強いためパルス(電気鍼)を用いて対応。
④インソール調整

・股関節は外旋、足関節は回内と大腿骨の動きと足関節の動きで捻じれが発生し、
大腿と下腿の動きがうまく運動連鎖しないため、
歩行時のバランスが取れるように当院でオーダーメイドインソールを入れた。
*患者様の足の形に合わせ、その日にすぐできます。
⑤加圧トレーニングと自宅トレーニングを指導

・片足で立ったときに支える中殿筋の低下により、外側にお尻を突き出すように歩いてしまいうまくバランスを取りながら歩くことができなくなるため、加圧トレーニングを用いて中殿筋の強化を行った。
・また、ご自宅でも行える中殿筋トレーニングを指導した。
⑥体重減量

・股関節の負担を減らすため体重を10キロ落とした。
・方法はファスティングがメインだったが、体調を崩したこともあり急激に減量することになってしまった。
・ファスティング後体調は良く、体もスッキリし本人は動きが軽くなったと言っていた。
結果
私はなぜ痛みがでたのでしょうか?
Oさんは、仕事で立ったり座ったりが多く股関節屈曲、内転、内旋の動きを繰り返し行うことで股関節インピンジメント(衝突)を起こしていたと考えられます。
股関節内旋制限があるなか下肢はX脚で足関節は回内し、
無理に股関節を内旋させることにより痛みが出現したと思われます。
股関節は関節包、靭帯、筋に補われることにより、ある程度の安定性が保たれています。
特に動作時には、筋による安定が重要であり、
股関節周囲の筋肉が協調して動かなければ関節運動軸が安定しません。
では、どうしたらいいんですか?
そこで、安定させるため特に中殿筋の強化が必要でした。
中殿筋は立位で骨盤を支えるのに大事な筋肉です。
歩行時、必ず片足に重心がかかる場面があるため、
中殿筋が弱いとバランスが崩れ股関節に負担がかかります。
そして、子供の頃から股関節に違和感があり、大人になるにつれて痛みが出現した原因は「発育性股関節形成不全」があったのではないかと考えられます。
幼少期のころに脱臼もしくは亜脱臼、
股関節の受け皿が生まれつき浅いなどの症状があった可能性もあります。
(病院でのCT等の撮影はしていないのであくまで仮定です。)
今は歩行時に痛みは時々あるが、当初のしゃがんで痛むことはなくなりました。
生まれつきの発育性股関節形成不全のケースだと、
股関節の可動性や筋力の状態を把握しながら上手に付き合っていく必要があります。
痛みがなくなっても油断は禁物です。
そのまま放置することで手術の可能性も出てきます。
今後は股関節内旋制限を緩和する施術と自宅での筋力トレーニングを
しっかり定期的に行っていきます。